Tokina AF235 (20-35mm F3.5-4.5)

カテゴリー: レンズ担当者のぼやき
このレンズ、AT-Xではない(F値が変動するため)ですが、トキナーの広角ズームの基礎になるレンズです。

当時高価な非球面レンズを使用しないで、最高の描写性能を実現したモデルです。

後に各メーカーの汎用広角ズームが、このAF235の光学設計を参考にしていると言われるのも頷けます。

このレンズの設計をした当時の光学設計者が、「単焦点の20mmと28mmを組み合わせると2群ズームで出来るよ」との閃きで、3日で概略設計をしてしまった天才肌の方でした。 具体的には、”広角ズームの1群のレンズ構成で代表的な2種類のレンズを合成したらどうなるか?”を実際にやってみたら出来てしまったとの事でした。

af235_lens

という訳で、1992年に発売したAF235は当時高価であった広角ズームの低価格化を実現し、キレのある描写が多くのお客様に好評頂いたモデルでした。

焦点距離 20~35mm フィルターサイズ 72mm
明るさ F3.5~4.5 全長 68.1mm
レンズ構成 11群13枚 最大径 76mm
画角 96°20′~63°30′ 重量 460g
最小絞り 22 希望小売価格(税別) ¥62,800
対応マウント キヤノンEF、ミノルタA、ニコンAI-AF、ペンタックスKAF
AF235_MTF
このモデルは後に、レンズ前枠を回転させない機構にしたAF235Ⅱ、さらに操作性に磨きを掛け、最終的にはワイド端を1mm広げたAF193 19-35 F3.5-4.5へ続きます。
AF193 19-35 F3.5-4.5は、トキナーで初めての海外加工部品を調達して、さらなるコストダウンを図ったモデルでした。
AF235  20-35 F3.5-4.5は、広角ズームをプロやハイアマチュアのお客様が使用する特殊なズームレンズから、一般のお客様に使用して頂ける、スタンダードなカテゴリーへとシフトすることに貢献したレンズだと今でも思っております。
広角系レンズは今でも全てトキナーのオリジナル光学設計なんですよ。
Tokina AF235 (20-35mm F3.5-4.5)を使用した投稿作品
初冬の挽歌
by Mt.Lion
雨の前
by てふてふ